職員研修「災害用アルファ米」炊き出し体験

8月27日(水)

 職員研修として、「災害用アルファ米」炊き出し体験を行いました。有事の際、防災倉庫に入っている「災害用アルファ米」を炊き出しに用います。防災給食等で「災害用アルファ米」を食べてみたことはあっても、炊き出しセットの段ボール箱の中に何が入っていて、どのように使用するのか等詳しいことを知っている人、さらには実際に作ってみたことがある人は非常に少ないのが現状です。避難所となる学校の備えとして、また、11月1日に実施する「防災フェア」の準備として、今回、初めて職員研修にて、全教職員で体験してみました。「災害用アルファ米」段ボール箱を開封すると、すべて必要なものは、段ボールの中に詰め込まれていました。段ボール自体が食缶がわりとなり、備品を取り出した後は、具を入れ、水を注ぎ、かき混ぜ、1時間程度待つだけで、ふっくらとした「キノコご飯」が蒸し上がっていることに驚きます。災害時、「お湯」があるとも限らないので、今回は「水」で試してみましたが、しっかりと柔らかくできあがりました。試食をしてみると、しっかりと味がついていて、おいしく食べることができました。1箱で50食用とのことでしたが、思った以上に量は多かったです。この日は、全教職員でお腹いっぱい、体験することができました。

 有事の際、中学生が地域の力となって率先して動くことができるようにするために、11月1日に行う「防災フェア」では、様々な活動を現在計画しています。この「災害用アルファ米」炊き出し体験もその一つで、生徒にも実際に体験してもらいます。生徒が作った「災害用アルファ米キノコご飯」を来校いただいた皆様にも配食する予定ですので、保護者や地域の皆さまに多くご参加いただければと思います。詳細については、後日ご案内いたします。お楽しみにお待ちください。

 さて、「アルファ米」は、なぜ水を注いだだけで、ふっくらとしたご飯になるのか。それは、「せんべい」と同じ原理なんだとか。炊きたてのごはんをそのまま急速乾燥させることで、ベータ澱粉(生米)に戻ることはなくなるのです。この「アルファ米」、実は歴史は古く、第2次世界大戦の末期に海軍の要請で開発されたものなのだそうです。心血を注いだ開発者の想いにより、1944年に完成し、軽くて、長期間保存ができ、虫がつきにくく、水で手軽に戻すことができる「アルファ米」は、軍用食として利用されてきました。戦後は、登山やアウトドアで多く利用されるようになっていきましたが、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、災害時にも柔らかいご飯を食べたいとの声が強まり、それまでは乾パン中心だった非常食でしたが、アルファ米の採用が増加していったそうです。災害時にこそ、一番の楽しみである食事で元気になってもらいたいとの想いから、「おいしさ」にこだわった商品づくりが進み、進化をとげながら赤飯や山菜おこわ、お茶漬けなどの種類も増え、今に至るのだそうです。ただ「おいしい」「まずい」と言って食べるだけでなく、そんな歴史に触れながら、さまざま考えを巡らせたいものですね。

  • 2025年09月01日 17:30

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